オフコンと呼ばれる企業の事務処理用途に特化した中型コンピュータがありました。1960年代から1990年代にかけて、中小企業などで多く導入され財務管理や会計処理、在庫管理、給与計算、伝票発行などに使われていました。中小企業のビジネスを支えてきたオフコンですが、Windowsパソコンの普及に伴いオフコンの市場規模は縮小し、メーカーのオフコン離れもあり、オフコンを使い続けていくことは困難な時代となりました。
導入背景
オフコンを運用するには、保守管理コスト、開発言語であるCOBOL言語を扱える技術者の確保、自社システムを開発してきた人材の高年齢化による退職、新技術の導入が出来ない等の問題と向き合うことになり、オフコンの廃止を検討せざるを得ないのが現実といえます。このような状況を背景にオフコンを継続利用してきたお客様から、オフコンのリプレースを検討しているが、現在稼働している在庫管理システムをパソコンで動かせるようにしてほしいとのご依頼がありました。
ご提案内容
- パソコンで運用する在庫管理システムの構築をご提案しました。
- サーバは事務所に置かずクラウドサーバ(VPS:仮想専用サーバ)を利用することを提案しました。
- ブラウザベースのシステムではなく、パソコンアプリとサーバ側のWEBサービスを利用する仕組みでの開発を提案しました。
- お客様の要望に合わせ、在庫管理システムの画面イメージや帳票レイアウトは、なるべく同じものになるよう配慮しました。
- 入出庫に係る伝票類や請求書は、従来の書式のものを継続して使用するものとしました。
- オフコンで稼働していた企業間取引の通信(JCA手順)は、パソコン版の通信パッケージを導入し、引き続き同じ処理を行えるようにしました。
導入効果
- オフコンで稼働する在庫管理システムはCOBOL言語で作成されていましたので、弊社のCOBOL言語に精通した技術者とWindows環境の開発に詳しい技術者でチームを作り、在庫管理システムの基本は変えないようにCOBOLソースを読み解いてC#言語で作り替えました。画面のイメージも従来のものを踏襲した作りにしたので、オフコンからパソコンシステムへの移行に係る操作習得がスムーズに進み、時間の短縮になりました。
- 管理資料等の帳票類は、必要なものをお客様に精査していただきました。連帳用紙に印刷していた帳票は、EXCELに出力する仕組みとして構築しましたので、後々のデータの活用やPDF化が実現し、ペーパーレスと消耗品コストの削減になりました。
- 帳票がレーザープリンターで印刷できるようになりましたので、帳票印刷の速度が向上し、事務処理に要する時間を削減することが出来ました。
- オフコンや周辺機器の大型のラインプリンタ装置は事務所に設置されていましたが、撤去されたことにより機器に係る保守費用を抑えることが出来ました。
導入事例に関するご相談・ご質問がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
お問い合わせはこちら